人口減少・少子高齢化という日本社会のトレンドは、甲府を初めとする地方都市に行政の在り方やまちづくりの面で大きな影響を与えております。加えて、規制緩和やグローバル化による競争の激化、産業の高度化(IT化)は経済構造の転換をもたらし、負の側面として様々な形の格差拡大を助長してきています。とりわけ地域間格差の是正は大きな国家的課題でありますが、地方分権が進展するなかにあって、個性と創造力を最大限発揮し、魅力と活力ある都市を自分達の責任で創っていかなければならないことも事実であります。

また、地方分権の進展は国の関与が減少することを意味し、自治体による公共サービスの水準をどこにおくのか、またサービスの提供者と提供方法をどのような形とするのか、市民による合意形成を図っていく必要もでてまいります。こうした意味で、市民と議会の協働ということが今後は非常に大きな意味を持つようになってきます。

このような認識のもと「活力に満ちた持続可能なまち・賑わいがあり楽しく暮らせるまち」を実現するための基本的な政策について以下7項目を掲げてみました。

幸なことに、甲府市では昨年から大きな話題性のある出来事が続いております。ヴァンフォーレ甲府のJ1昇格や、「甲府とりもつ煮」のB1グランプリの優勝は記憶に新しいところです。甲府駅北口整備も着々と進み、多目的広場などを活用した集客も期待できます。また、2013年には国民文化祭の開催(山梨県主催)、2019年には甲府市が開府500年を迎えるなど、大きなイベントや歴史の節目を迎えることになります。こうした様々な場面を好機と捉え、「ふるさと甲府」を積極的にプロモーションすることで、観光業を初めとした産業の振興を図り、甲府の活性化に繋げていきたいと思います。

1. 地域経済の活性化

産業の振興なくして地域の存続はありません。当面の景気対策と雇用の確保は最重点課題ですが、産業の高付加価値化と一人当りの生産性向上を達成することが不可欠です。

  • 起業支援の充実強化を図り、新規産業の創出と雇用機会の拡大を図っていきます。
    具体策としては、制度融資の充実強化を図り、成功の可能性の高い起業家の育成・支援を行うことなど。
  • 観光振興を初めとした交流人口の拡大による活性化を図ります。
    昇仙峡や武田神社、美術館などの観光スポットのネットワーク化を推進し、更なる観光客の誘致を図ります。また、「産業観光」や「まちなか観光」などのテーマ性を持った観光プランの提示、増加が見込まれる外国人観光客の受け入れ態勢の整備、アニメなどのソフトを活用した集客などにも積極的に取り組みます。

2. 持続可能な都市づくり  ~生活地の創造~

人口減少社会を迎える中で、都市計画の抜本的転換を図り、賑いと活力を創出していく必要があります。コンパクトシティへの転換と地域公共交通の整備を行い、快適な生活地(ライフスタイル・プロデューサー浜野安宏氏の言葉)を創っていきます。特に市民の移動権を確保する観点から、公共交機関の整備はコミュニティーバスを初めとして地域特性に応じた施策を展開します。

3. 安心・安全なまちづくり

交通安全、防災・防犯の強化充実に取り組みます。

  • 子どもや高齢者が安心して街を歩けるように、道路のバリアフリー化、自転車と歩行者の分離帯設置などに取り組みます。また、通学路の危険箇所の改善を進めます。
  • 震災時の犠牲者をゼロにするために、公共施設はもとより耐震強度不足の木造家屋の耐震化を積極的に進めていきます。

4. 環境施策の推進

  • 資源ゴミ(物)をいつでも出せるように、リサイクルステーションの設置を更に進めていきます。
  • 住宅用太陽光発電システムや太陽熱温水器設置への補助事業を拡大し、クリーンエネルギー活用の拡大を図ります。

5. 人づくり

まちづくりの基本は「人」づくりです。学ぶ意志のある全ての人々に機会が保障される生涯学習都市を目指します。また、一昨年制定された「甲府きょういくの日」の理念に基づいて、子ども達の教育を学校現場にのみ任せるのではなく、市民全体で支え育みあう仕組みを創っていきます。

6. 社会保障制度の転換

年金や医療制度など我が国の社会保障制度は大きな綻びが目立ってきました。右肩上がりの経済と終身雇用・年功序列の社会ではそれなりに有効に機能した制度ですが、日本社会が大きな転換点を迎えた今、社会保障制度の抜本的な見直しが不可欠です。リスク社会と言われる現代にあって、病気や怪我、失業を初めとする様々なリスクに対応できるきめ細かい社会保障制度の設計をする必要があります。

また、機会や可能性の平等を実現する福祉、頑張る人々の背中を後押しする福祉というコンセプトを導入し、活力ある福祉社会を目指します。

国においても社会保障制度の改革が検討されていますが、国の制度でカバーできない部分は、自治体の責任として対応してまいります。

7. 地方分権社会の実現

国による地域主権改革の動きは歓迎すべきことですが、まずは我々自身が地方分権を受け入れられる体制を整備する事が必要です。地域住民の生の声が施策に反映できる議会や行政の執行体制の構築が求められます。国による「義務付け・枠付け」などの関与が減少する分、行政サービスの水準とそれに伴なう負担などを住民が自らの意思でコントロール出来る仕組みを創っていきます。